精神科デイケアつつじ

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活動日記

台風 スポーツ アップルパイ

先日の台風、ひどいことになりました。被災者の皆様にお見舞い申し上げます。

あれだけメディアと行政が呼びかけても70人以上の死者がでて、まだ多数の行方不明者がいるという・・・本当に辛い結果になってしまいました。やっぱり温暖化なのでしょうか。今後も油断できませんね・・・。

本来は食と共にスポーツが楽しい季節のはず。現在はラグビーやバレーボールなんかが盛り上がっています。サッカーもW杯予選をやってるし、それにプロ野球もいよいよ日本シリーズですね。

海の向こうのアメリカでもメジャーリーグのプレーオフが盛り上がっています。先週から地区シリーズを勝ち上がってきたアメリカン、ナショナル両リーグの各々2チームがリーグ優勝決定戦に臨んでいます(メジャーリーグのプレーオフは日本とは仕組みが違い、しかもはるかに試合数が多く、ワールドシリーズの最終戦まで行くと最高20試合も戦うことになる)。

そんなアメリカンリーグ優勝決定戦の第1戦、ヒューストン・アストロズの先発投手は、ザック・グレインキーでした。メジャーリーグでも屈指の制球力を持つ、15年目のベテラン右腕です。「精密機械」の異名をとる、あのグレッグ・マダックス(メジャー通算355勝の殿堂入り投手)に引けを取らないコントロールで打者を翻弄し、現在209勝をあげています。おそらく殿堂入りするのではないかと思われます。

そんなザック・グレインキーを、私は応援しています。なぜかというと、彼はメジャーデビューしたころに大変な苦労をしたからです。彼はある精神障害に苦しんだ経験があるのです。それは「社会不安障害」。様々なストレスからピッチングが思うようにできなくなり、そして一時期メジャーから離脱せざるを得なくなります。1年ちょっとの自宅での闘病生活ののち(プロ選手の1年は大きなハンデとなる)、見事復活を果たします。それまでには多くの苦労があったといいます。

社会不安障害とは、簡単にいうと、他人からの評価やどういう風に思われているかといった気持ちが、日常生活に支障をきたすほど極端に強まり、強い不安や緊張、そして抑うつ、時にはパニック発作をともなうこともある障害です。治療はうつ病のそれと似ており、SSRIなどによる薬物療法の他に、認知行動療法なども行われます。

本人は「ボクの抑うつは自殺したいほどに強いものではなかった。でもだんだん野球が嫌になった」といった意味の発言をしています。そう聞くと、たいしたことはないように聞こえます。しかしそんなことはなく、かなり深刻な状態であったといい、しかし発見が早かったから治療がうまくいったといわれています。当時所属していたチームの管理者たちが、彼の異変にいち早く気づき、強制的にキャンプから離脱させ、治療を進めたそうです。そしてお薬(多分SSRIかそれに関連するお薬)がよく効いたと思われます。さらに家族やチーム関係者がうまくサポートしていたことは想像に難くありません。

もし発見が遅れ、治療が行われていなかったら、最悪自殺していた可能性はあったでしょう。そうならなくても、今日のように自分の才能を発揮することなく野球界から去らなくてはいけなったかったでしょうね。

私たち医療者は、目の前の患者様のちょっとした変化に注意を払わなければいけないんだな、と思いを新たにしているところです。

現在は彼の治療が行われているのか否かは、はっきりはわかりません。でも、こういった心の問題はかなり長い期間、ひょっとしたら一生お付き合いを強いられることもあると考えると、なんらかのアプローチは行われているのが自然だと思います。

そんなグレインキー投手、先日の試合では田中のマー君が先発したニューヨーク・ヤンキースに打たれ、残念ながら負け投手となってしまいました。そして第4戦も先発し、チームは勝ったのですが勝敗はつきませんでした。しかしアストロズは強いチームなのでワールドシリーズに進んでいる可能性は高いのではないでしょうか。そうすると、世界最高峰の野球の舞台で、グレインキーが投げている姿が見られます。彼自身初めてのワールドシリーズとなります。

なぜ、医療や福祉が存在するのか。理由の一つとして、それはひょっとしたら、その人が持っているかもしれない可能性を消さないため、なのではないでしょうか。グレインキーのような才能あふれる人材はもちろん、たとえば寝たきりで何もできないと思われている人でも、生きていて、その人なりによい体調が続けば、何かをやることができて、たとえば楽しい音楽や美味しい味を楽しむことができる「可能性」があるかもしれず、そういうことでその人の生活の質は、ちょっとだけかもしれないけれど向上するかもしれません。それが長く続けば続くほど、その人の「人生の質」も上がるのではないでしょうか。

 

閑話休題。先日の調理実習でアップルパイを焼きました。

ちょっと涼しすぎる今日この頃、ほんわかあったかいお味を楽しみました。

リンゴに火を入れます。砂糖といっしょに中火で。こげないように気を付けて。火から下ろしたところでシナモンを投入します。しばらく冷蔵庫で冷やしましょう。

パイ生地をこねこね。強力粉と薄力粉、それにバターを混ぜ合わせます。少しずつ水を入れながらまとめます。その後丸くひとまとめにして30分くらい冷蔵庫で寝かせます。

型に生地を敷き、リンゴを並べ、さらに生地を上からかぶせたら、周囲の生地をつまんで隙間をなくします。

そして、あらかじめ温めておいたオーブンで焼きます。230℃で。

ハイ完成。けっこう簡単でした。

お味はリンゴの自然な甘みを感じる、甘すぎない仕上がりでした。

食べて、運動して、健康的に秋を過ごせたらいいですね。